箱庭の夢【黒】 (ページ4)

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𝟒 ページ4

「………さすがにだめかな」

あからさまにしゅんとする目黒くんはおばあちゃん家で飼っている大型犬に見えて、うっとなる。

「別に、顧問から友達とかと一緒に食べてもいいよー、とは言われてます、ケド……」

なんだか気まずくてカタコトになってしまった。

「！！！」

ばっと顔をあげて目を輝かせる目黒くん。まだ良いとはいってないけど、やっぱりダメですなんて言ったらさっきみたいなしょんぼりに逆戻りか……仕方ない！と腹を括る。

「一緒に美術室で食べますか…？」

おそるおそる聞いてみると輝いてた目が更にキラキラ輝いた。

「いいの？」

そんな顔で見つめられて、いえ、ダメです、なんて言う子、男女共にいないんじゃないだろうか……

心の声は決してもらさず、目黒くんさえよければ、と答えると、俺！購買でパンだけかってくる！！先行ってて！と勢いよく走っていってしまった。

「台風みたいな人」

お昼休みの購買は凄い混雑してるって言うし、まだ時間もあるし、のんびり美術室向かうかあ、と歩き出した。

ちなみに目黒くんは5分もしないうちにたくさんのパンを抱えながらダッシュしてきて私に追いついた。いくら購買から美術室近いとはいえど、なんでそんな早く来れるの……と疑問しか浮かばなかった。