Sweet? or Sour? Orenge juice II (ページ25)

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黒side

こんな状況から早く逃げ出したくて
傘を持って駅に急ぎ足で向かおうとした

だけど、隣にいるはずの康二がいなくて
振り向いてみると涙を流してうずくまっていた

黒「え、泣いてるの？」

橙「だって…」

黒「ごめん、濡れちゃう」

橙「めめが泣かせたｸﾞｽｯ」

黒「告白されるのそんなに嫌がるとは思ってなくて…
ごめん。でも帰るの遅くなるから行こう」

橙「めめは俺の話聞いてくれんの？」

黒「だから返事はわかってるって、」

橙「分かっとらん！」

黒「え？」

橙「俺だって、めめのこと好きやのに！
勝手に話進めて勝手に帰ろうとするし…」

黒「ちょっと… 待って、え？」

橙「雨の日でこんな濡れた髪の毛で
見た目悪い時にこんな状況なるとか知らんし」

黒「いや、どんな髪の毛でも康二はかわいいから
じゃなくて… どういうこと？」

橙「俺かて、めめは俺のことなんか
興味ないんやろな思ってたわ
でも、今めめが気持ち伝えてくれたから
俺もちゃんと頑張って伝えようとしたのに
全然聞いてくれんやんか… ｸﾞｽｯ」

黒「あ、えっと。ごめん、泣かないで？」

雨の中、人通りもある中
制服を着た1人はうずくまって泣いて
もう1人はどうしようか戸惑ってる姿なんて
側から見たら何やってんだって思われる

でも、俺はいつもこんなに笑顔の彼が
涙を流すなんて思ってもなくて
彼には涙を流して欲しくないのに…
だから、そんな人の目なんて気にしてられない

でもあの2人みたいに彼のことを
たくさん知ってるわけでもなく
泣き止ませる方法なんて知らない

黒「どうしたら泣き止んでくれる？」

橙「…… ぎゅーして」

黒「えっと、それはたくさん人いるしさ？」

橙「せやったら、また泣く」

黒「それはだめ。康二が泣いてる姿なんて…」

橙「じゃあぎゅーして」

黒「でも俺なんかがいいの？」

橙「めめやから、いいの。」

そんなこと言われれば断れないし
康二の涙だってどうしたらいいか分かんない

康二の側に俺もしゃがんで
片手で絶対に康二に雨が当たらないように傘をさし
もう片方で優しく背中に手を回す

橙「俺も、めめのこと好き
やからちゃんと最後まで聞いて」

黒「っ、聞く… ちゃんと聞くから泣かないで」

ぎゅっと服の裾を握って
泣きながら伝えてくれる
俺も怖くて逃げてばっかじゃなくて
ちゃんと話を聞いて伝えよう

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